人間の脳が進化したのは狩猟時代で、農耕が始まったのは確か7万年ほど前ですが、その100万年前から狩猟時代に脳が進化しています。ですから、人間の脳は狩猟時代に設定されているのです。
ですから、狩猟時代といっても、動物を狩っていたわけではなく、木になっている果物を採っていたことがほとんどです。
例えば、下から見ても実がなっているかどうかわからないような、上に実がなっている背の高い木など、実がならない木もありますよね。
実がならなければ、下に落ちてしまう。数回に一度でも実がなっていれば、実がなったことを喜び、栄養価の高い実がなったことを喜びますが、高カロリーの実というご褒美を得てしまいます。
例えば、「ここでは魚が釣れる」とわかっていても、いつも釣れるわけではなく、たまには釣れるし、さらにたまにはここで大きな魚が釣れることもありますよね。私たちの脳は、そういった価値を過大評価するようにできていると言われています。
これは、私たちが狩猟時代に長い間生きてきたからですね。
狩猟時代に長く生きてきたからこそ、ギャンブルが魅力の根源になっているのではないでしょうか。
ギャンブルは意志の弱い人には向いていませんが、私たちの脳は狩猟時代に設定されたものなので、例えば木に登って木の実があるかどうかを確かめるようなギャンブルをしていた方が、よりよく生きていけるのです。
ギャンブルに興味がない人は、遺伝的に子供を作ることができず、死ぬ可能性が高いからです。
その代わり、別の道を通って、あそこを見てみようとか、川の反対側に行って魚を捕ってみようと思った人は、生き延びる確率が高いので、生き延びた人はみんなギャンブラーです。
結局、ギャンブルが好きで、そこから得られるものを大切にしている人が生き残っているのです。
だからこそ、その時、ギャンブルをするだけで脳内に快楽物質が分泌されるのです。
今のところ、これは本当に実験結果からわかっていることです。